自営業夫婦は今日もゆく

夫婦で自営業しながら0歳児を育成中。めまぐるしい日々をおもしろおかしく残したい。

凪仕事

赤ちゃんができた。

まだ10cmにも満たないサイズだけれど、どうやらお腹にいるらしい。まだ病院でしか安否が確認できないから半信半疑なのだが、お腹も少し出てきて、どうやら本当にいるらしい。

 

子どもが出来ることは想定していたし、望んでいた。自営業として仕事と育児の両立が普通より大変になる事も理解はしていた。

 

やる事は多いけれど、仕事の想定はそれなりに出来ている。あとは未知の「妊婦・出産・育児」の事だけを考えればいいんだ。そう思っていた。

 

私のいない間の仕事はきっと完璧には行かない。売上も落ちる。きっとクレームも入る。でも、仕方ない。完璧を求めて考えると出口のない沼に入ったような気分になる。一旦、完璧は諦めてその上でどうスムーズにいくかを考えよう、と。

 

そんな時に飛び込んできた、仕事の急な予定変更。取引先の心変わり。私には理解できない要求。

 

取引先に対する愚痴を書き始めたら止まらないのだが、どうやらその取引先が居ないと今のうちの会社は回らないらしい。ご機嫌を取らないといけないらしい。ふざけんな。

 

殴り合ったら早くない?と思うのだが、どうやら丁重に気を遣って打ち合わせをしないといけないらしい。相手の事を思ってる体で自分達に有利なプランを通す必要があるらしい。

 

その為の夫との打ち合わせをしている時、やっぱり私は泣いてしまった。ちょっと見え始めていた見通しがまた一気に見えなくなって、不安で、恐怖で、プレッシャーで、泣いてしまう。

 

昔は見通しの見えない未来が楽しかった。ワクワクした。どんと来いだった。

 

でも、20代後半になってから見通しの見えない未来が怖くなった。不安になった。

 

年を重ねれば重なるほどドンと構えられる女になっていく気がしていたけど、まるで真逆だった。どんどん弱くなっていく自分に絶望する。元々はこんな人間だったのか?20代前半の勢いは何かの間違いだったのか?と自分が自分で分からなくなる。本当に自分を見つけてる暇なんてないのに。

 

私は子どもの事を必死に考えたい。そうするべきだし、そうしたい。だから、仕事の変動はしないで欲しい。ここ2.3年は仕事は凪で居て欲しい。なのに...

 

仕事の事を考えれば考えるほど子どもの事が疎かになっていく気がして、耐えられない。子どもと仕事をどっちも必死に考えるのは無理だった。頭がキャパオーバーになって思考停止して言葉にならなくて涙になる。

 

だから、これからはもう子どもの事だけを考えたい。子ども以外の誰かによって私の仕事が揺らいでたら堪らない。子ども以外には振り回されたく。これは無理なお願いなのか?分からない。分からないことだらけ。

 

先の見えない荒波の中を、猪突猛進に突き進んでいた私の仕事道は、今、子どもという存在によって凪を求めるものとなっていた。

 

分からない。不安。恐怖。プレッシャー。

排除しようのない感情達を抱えた長い長い旅が始まった。